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  • 執筆者の写真akiko

エコツーリズムについて考える vol.1



2泊3日で西表島を訪れました。


島の90%がジャングルに覆われているという西表島。「星野リゾート 西表島ホテル」は島の自然環境を保護し、持続可能な観光の仕組みを作るため、日本初のエコツーリズムリゾートを目指しています。まずはその一環として行っている3つの取り組みをご紹介します。


一つ目が「エコロジカルなホテル運営」

西表島ホテルは「ペットボトルフリー」「1WAYプラスチックフリー」に挑戦し、ゼロ・エミッション(運営によって生じる廃棄物の単純焼却・埋め立てゴミゼロ=リサイクル率100%)を目指しています。

客室でのペットボトルウォーターサービス廃止に加えて、館内にはウォーターサーバーを設置し、ゲストにはマイボトルの持参を推奨しています。

(お持ちでない方に向けては、ボトルのレンタルもしてくれます)

また歯ブラシやクシ、髭剃りなど、1WAY(使い捨て)アメニティの提供もやめ、ゲストにアメニティ持参を案内しているそう。


カップもプラスチックのフタを使わなくともフタになる仕様になっている



深刻な海洋問題を引き起こしているプラスチックごみを減らす取り組みは、近年ここ日本でも少しずつ広がってきていますが、私が違和感を感じていたことの一つが、「本当にそれでプラスチックごみは減っているのだろうか」という疑問。例えば、最近多くの飲食店で、提供されるストローがプラスチックではなく紙や竹のストローに変わってきています。しかしそれをまるで免罪符のようにして、実際私たちはプラスチック製品にどれだけ囲まれているのか、そもそもプラスチックを減らすだけで環境問題はクリアになるのかというところまで意識を向けていない、という事態が起きているような気がしてならないのです。


また、歯ブラシのアメニティがプラではなく竹のものに切り替わっている宿泊施設も増えてきましたが、それを使って一回だけで捨てることには、プラスチックを使用しないというのとはまた別の憤りを感じてしまうのです。果たして私たちはそれを、”使い捨てる”必要があるのでしょうか。

ビーチクリーンに参加すれば、いったいどれだけの海洋ゴミが流れついているかわかります。多くは海外から流れ着いたものだったり、また破損、紛失された漁具だったりします。


環境問題は一人一人が自分ごととして捉えていく必要がありますが「私はちゃんとやっているから大丈夫」で終わりではなく、常にホリスティックに、全体を捉えて考えていく必要があると思います。

離島という制限された環境下で、ゴミの処理やリサイクルに限界があるからこそシビアになるゴミ問題。私は今回、普段東京でいかに無意識にゴミを捨てているかを再認識しました。捨てることにもっともっと高い意識を持たなければ。


ゴミの分別もしっかりと


コインランドリーには洗剤を使わないウォッシュマシンを設置。環境にも肌にも優しく、しかし汚れはしっかりと落としてくれる



2つ目の取り組みが「島の魅力と価値を感じるネイチャーツアー」

西表島の魅力のひとつは、イリオモテヤマネコなど絶滅危惧種や固有種などが多く生育・生息する「生物多様性」。世界自然遺産に登録された島の自然を守り継いでいくために、西表島在住のガイドと協働してネイチャーツアーを実施しています。


私も今回、「イリオモテガイドウォーク」で動物の生態や知識について学び、また「クーラの滝トレッキング」や「夕暮れマングローブカヤック」で島の魅力を再発見しました。





まずはホテル内敷地にある本格的なジャングルをガイドが案内。毎日開催しています。






クーラの滝トレッキングでは、滝に向かうジャングルでも、たくさんの動植物をご紹介してくれます。


滝に到着。もちろん打たれました!



西表島に生息するマングローブの種類や生態などの興味深い話を聞きながら、ガイドと共にマングローブが生える川の河口へ。夕陽が美しい。



特に、ちょうどこの時期にしか見られない、夜咲いて夜明けとともに散ってしまう幻の花、「サガリバナ」が水面に落ちる瞬間の儚い音を聞きながら、川面一面に花が浮かぶ絶景の中をクルーズ船で静かに進む「絶景早朝サガリバナクルーズ」は、なんとも贅沢で貴重な体験でした。




とても幻想的な光景でした。




そして3つめの取り組みが「イリオモテヤマネコの保護活動」

絶滅危惧種のイリオモテヤマネコですが、「ロードキル」が多いのだそう。

その防止策の一つとして、ホテルのスタッフは定期的に島の草刈りを行っているのだとか。また、イリオモテヤマネコの保護のみにとどまらず、西表島の生物多様性の保全にも努めているそうで、ビーチクリーンも行っています。私は今回「ウミガメの学校」(「イリオモテヤマネコの学校」と1日おきに毎晩行われるプログラム)に参加し、ウミガメの生態だけでなく、ウミガメに優しい施設になるためにホテル全体として心がけている取り組みも伺いました。ホテルはウミガメが産卵に訪れる海に面していて、もう片側はジャングルという、大自然の中に位置しているのです。




滞在中、至るところで感じた、環境への高い意識。

次回はアクティビティや施設の魅力など、もう少し具体的にご紹介していきます。


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