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  • 執筆者の写真akiko

わたしのこと。

初めの記事はどんなことを書こうか悩みましたが、まずは自分のことについて書くことにします。


私は2001年に、Verveレーベル初の日本人女性「ジャズシンガー」としてデビューしました。大学生の頃からライブなどで音楽活動はしていましたが、メジャーレコード会社と契約して、CDを出して様々なメディアに出て、マネージメントがツアーやイベントをブッキングして、という音楽生活が本格的に始まったのはこの年からです。

私は実際に歌い出すまで所謂「ジャズ」という音楽をほとんど聴いたことがなく、当然ジャズシンガーになりたい、とも思っていませんでした。子どもの頃には半ば嫌々ながらピアノ教室に通っていましたが、その他に音楽教育は特に受けたこともなく、高校生の頃は「ロンドンナイト」や「ロカビリーナイト」に通い、パンクやニューウェーブやリズム&ブルースやジャイブなどの音楽に魅了された、東京カルチャーを牽引するお洒落でルードな大人たちに憧れを抱くただのティーンエイジャーでした。




昨年、『ジャズを詠む』というライフスタイルエッセイを出したのですが、そこにもジャズを歌い始めるまでの経緯や、「そもそもジャズとは何なのか」という問いに対する私なりの見解を述べています。(ありがたいことに初版が完売し重版はまだ未定なのですが、電子書籍での販売は近々スタート予定ですので、興味があれば是非手にとってみてください。)


この本では、音楽についてだけでなく人生観や哲学にも触れています。これまで経験したたくさんの気づきや、大切にしているテーマについて書きました。私は昔から本を読むのが好きで、「書く」という行為も大好きなのです。この本を出した直後は、伝えたかったことはある程度伝えられたのでしばらく書くこともないだろう、などと思いましたが、最近またふと自分発信の気楽なメディアで思うことをつらつらと書き連ねることもいいかもしれない、と思い始めました。



私は自分の肩書きを「ジャズシンガー」とすることに、長い間おこがましさを感じてきました。何故なら私にとって「ジャズ」とは特別なものではなく、他のたくさんの音楽と同列にあり、これまでも今もたくさんの「ジャズ以外の」音楽を聴き、影響を受けているからです。

それどころか最近は、「シンガー」と名乗ることにさえ違和感を感じています。歌うことや音楽は私の表現手段の一つに過ぎず、それ以外にも文章を通じて、またワークショップやリトリートツアーでは直接の対話を通じて「伝える」ということを、きっと私はしたいのだと思います。



この数十年、いや数年の間にも、たくさんの新しいメディアが生まれ、コミュニケーションの手段も変化しました。これから先も、どんどん変わっていくでしょう。

SNSが主流となった現在ですが、私にはもう少しゆっくり、もう少し深くまで、何かについて伝えることができる場所が必要です。ここがそんな場所になれば、と思っています。


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